*長縄辰吉長老逝去 「年重ね109才の秋に逝く」弥一
去る3月28日、ユバ農場の長老・長縄辰吉さんは満109才を迎え、ユバの子供達手製の大きなケーキを贈られ皆の祝福を受け感極まって涙した。その5日後の4月2日、次女優子さんの見守るなか、眠るように安らかに旅立っていった。
1928年、24歳でアリアンサに入植、43年にユバ農場入り、97歳まで日曜休日なく農作業に従事しその生涯をユバ発展のために捧げた。ブラジルの日系人コロニアの最高齢者だった。合掌。
109歳の誕生会
*第35回ユバ句会 講師はコロニア俳句界の長老・新津英三さん
ユバ農場では2009年暮に句会を始めた。指導講師は今年98歳となられた新津英三さんの「ブラジル俳句発祥の地であるアリアンサに俳句の火を絶やさないで欲しい」との要望により、師の指導の下に開始した。
新津師は、1915年に長野県下高井郡木島平村にて誕生、1934年に第一アリアンサ移住地に単身入植された。
その後佐藤念腹氏に師事され、稚鴎(ちおう)の俳号を以て俳句の普及に尽力してこられた方で、2011年にはNHK俳句大会で初めて投句された「アマゾンを遡りくる白雨かな」が特選の大賞と文部科学大臣賞を受賞ている。
現在ユバ句会の最年少が10歳の熊本昴で、近頃は稚鴎師に「リズムがあっていいね」と賞賛を得ている。
師は来年は白寿、99歳となられる。長縄さんを超えていつまでもお元気でご活躍いただきたいと願っている。
外部からの参加者もあって通常は12名くらいである。(右:稚鴎師)
『俳句』
2013年3月21日 熊本 昴(10歳)
ぼくは、ときどき俳句を作っています。八才から始めたので、もう二年くらいつづけています。
俳句はきせつによって、きだいがちがいます。「きだい」とは、もしきせつが秋なら、米、いねかり、アセローラというようなことばがあります。そのことばをつかって作るのです。
そして、俳句は五七五の文字で作ります。さいしょのことばは、五文字で作ります。まん中は七文字作ります。さいごのは、また五文字で作ります。たとえば「アセローラ すっぱいけれど おいしいな」というふうに作ります。
ユバでは、月に一回日曜日に俳句を作りたい人があつまって句会をします。教える人は、にいづえいぞう(新津英三)さんという九十八歳の先生です。そして、それぞれがいいと思う俳句をえらんで書き、読み上げます。それを日本のもっか(木瓜)先生に送ると、先生がいい俳句に丸をつけて「くず」という俳句の本にのせてくれます。
ぼくは、このごろにいづ先生に「昴の俳句はリズムがあっていいね」とほめられるようになったので、つづけていこうと思っています。
すばる (4月14日句会より)
○赤とんぼ 水の中から 生まれ出る
○さつまいも たき火でやくと おいしいよ
○虫の声 なかまをよんで がっしょうだ
○しいたけは きんから生まれる ふしぎだな