第1の章 「アマゾンの有名魚達」 その2


ピラニアつづき

では、アマゾン河で泳げば本当にピラニアに食べられてしまうのか?と言うとこれは皆無に近いのである。

まずピラニアと言う魚は、大変臆病な魚であるという事を皆さん認識しないといけないのである。つまりピラニアは怖がりであるといえる。

ちなみに私は、アマゾン河支流やそのまた支流も含め500本以上の川に潜っているが、ピラニアに水中でかじられた事は、一度もない。

では100%安全か?と言うと、そうでもない。実際にピラニアに襲われて死んだ人もいるからである。

では、どのような時にピラニアは危ないのか、もしくは、危険なのか?

アマゾン河は、乾季と雨期で水位の差が10m以上もある。雨期、つまり増水期には、河が氾濫し、ジャングル内まで水が入り込む。 逆に乾季になると、ジャングル内の水が引き、水は河に戻っていくのであるが、その様な時期、ジャングル内には、無数の残留湖が出来るのである。

このような残留湖では、時期がたつにつれ水が減水しはじめる。湖に取り残された魚達は、酸欠に苦しみだすのである。

気は小さいが、体力だけは魚一倍のピラニアは、酸欠に大変強い。つまりこの時期、ピラニアは、例のお祭りを始めるのである。弱った魚を酒の肴にして、飲めや歌えの大宴会。

この様な、お祭り時期の湖などでピラニア祭りに参加すれば、それこそ血祭りにあげられるのは、当然である。くれぐれも気をつけたし。

しかし、ピラニア仲間のあいだにも一定のルールはある。

『達者に泳いでおられる一般の方に迷惑は、かけない。』と言う仁義である。

この仁義を守らない者は、破門、もしくは、抹殺(共食い)にあうと言う。鉄の掟もある。 ピラニアのターゲットは、弱っている魚や、危険信号をだしている動物に限られる。

よって、アマゾン河で泳がれるには、以上のことを頭に入れ、元気に泳がれれば、恐れる心配は、全くないと言うことである。

ただし、溺れたり、泳ぎが不慣れな人は、ピラニアに『弱っている』とみなされても私は、責任を持たないと付け加えておく。

もう一点最後に付け加えるなら、血の匂いで狂乱しているピラニアには、先ほどの『仁義』は、通用しないと言う点である。

ピラニアは、動物の出す危険信号にも敏感であるから、河に落ちても冷静にならなければならない。決してパニックにならないことをお勧めする。

以上の条件をクリアーすれば、アマゾン河で泳ぐことは、大変安全で、気持ちがいいのである。

と言うことで、ピラニアと共に泳ぎたい人は、アマゾンに来なければならないのである。

ピラニアもお待ちしているのである。

つづく

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yamakamo@interlins.com.br だよ!