[僕は父を捨てた:]

僕は父を捨てた

脳血栓で倒れた父は、言葉も喋れなければ、右腕もまともに使えなかった。
父はそんな自分に苛立ち、僕もそんな父を見るのが辛かった。
回復するに連れ、父は痴呆症が進み、病院内を徘徊するようになった。
病院側は、早期の退院を暗に促してきた。
自分の生活を守るために施設に入ってもらうしかないと思った。
僕の気持ちをさっしたかのように父は突然逝ってしまった。
僕は父を捨てるつもりだったのだ。
これから僕はずっと父を捨てようとしたという十字架を背負って生きていかなければならない。

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