読者: |
「わたしせっかちなので、暴かれた真実の続き、待ちきれないので電話でお尋ねするんですけど、完結はどうなりますの?」 |
作者: |
「すみません、アマチュアの悲しさで、長いストリーを縮小するのに汗だくで奮闘中なんです。」 |
読者: |
「たいへんですね小説書くのってー。失礼ですけどおいくつですか?」 |
作者: |
「コンピュウターメールでご覧のとをり、一九二十年生まれの七十八才、大正のレデイですわょ。」 |
読者: |
「へーえ、びっくりしたぁ、私のママイより歳上なんだ。私のママイは七十三でぼけてんのよ。おばさん頭いいのね。」 |
作者: |
「ありがとう。そのメッセージありがたく戴くわ。だから後編は来年まで待ってくださいね。」 |
読者: |
「来年ですかぁー。私来月日本に行くんです。だから早く完結を知りたいんです。私って沙耶香と似た性格してるんですよ。」 |
作者: |
「じゃ、スリルを好むアブナイ性格なのね。」 |
読者: |
「そうそう、そのとおりです。だから、まあまあのサラリーをほっぽって日本へ冒険しに行くんですよ。だから質疑応答式でよいから完結を教えてくださいませんか。」 |
作者: |
「そんなに関心を持ってくれる貴方に感謝するわ、オーケーお答えしましょう。」 |
読者: |
「沙耶香は上条家の財産を目当てに彼の計画をしたんですか?」 |
作者: |
「そればかりではなく、彼女の性格そのものが変わっているのよね。つまり跳んでるむすめ娘というのか、時代のニーズを先取りする急進的な考えの娘なんです。だから日本での窮屈な生活から逃れて、ブラジルという未知の国で思う存分、空想を現実に体験したいというのが彼女の本昔なのです。」 |
読者: |
「フーン、それじゃ財産狙う悪党じゃないのね。」 |
作者: |
「そこなのよね、私たち移民社会の人達との思考の相違は、古いセンスではすぐに財産とか地位とかが優先するでしょう。沙耶香の場合そうした物はプランの枠外なんです。」 |
読者: |
「へーぇ、それじゃあ上条家に現れた沙耶香をだれが偽者だと見破るんですかぁ。」 |
作者: |
「沙耶香は上条家に行く前に上条家の内情を調べたのよ、そしたら金山を掘り当てたなんて法螺で、訪日する人が良く使う悪意のない法螺だったことがわかったの、現在の生活は中流クラスで人望のある夫婦ということなの。」 |
読者: |
「ふーん法螺かぁ、せっかく日本から来たのに幻滅ね。それじゃあ明日香だなんて嘘つくことないじやないの。」 |
作者: |
「そうなのよ、だからプランを変更して、姉の沙耶香として上条家に行き、一年間楽しく遊んで日本に帰ってゆく、ということで終わるんです。」 |
読者: |
「なーんだ、暴かれた真実なんて探偵小説みたいな題だからドキドキして損したわ。おばさんて人が悪いわよ。」 |
作者: |
「ハハハハごめんなさい。どきどきしてくれてありがとう。あなたのような読者がいるということは、書く者には大きな励みになるのよ、沙耶香のように訪日を楽しんでいらっしゃいお元気でね。」 |
読者: |
「おばさんもがんばってね。沢山書いてください期待していますから。」 |