二回目の体側

 予定通り、10月3日に二回目の体側が無事終了した。
この測定に立ち会った水産研究所の所長、職員を始め、三ヶ月前から総てを見てきた日本の青年、二葉春樹、更に数週間前から加わる事になった蓑田竜史と言うこれまた日本から最近サンパウロに来た青年(彼はダルマ塾と言う所で一年間研修し、広く世界をブラジルを知るために出てきた。現在、筑波大学大学院在籍。)等の見守るなか行われた。

二回目の体側風景

 現場を数ヶ月見続けた者なら誰でも同様だと思うが、彼らの目を驚かしたと言うより、この成長の速さは言葉に表しきれない感激がある。
彼らピラルクが力強く泳ぎ、時々我々に体当たりしてくる。その強さは、先月より今月と、その成長を実感出来、あと数ヶ月したら我々は彼らの体当たりに耐えられるだろうかと不安でいっぱいだ。データを取り続ける為には、新しい武器(道具)を考え出さねば、このままでは彼らにやられる。
今回の体側を終わらせたメンバー全員が感じ、この件について長い時間をかけて語り合った。総てにおいて初めての経験である。この試みは、メンバー全員の予測を大きく上回る勢いと力で進んでいるようである。

 ではここで、まずは結果の発表をしよう。

第一グループ(A): 実験個体数50匹 肥育実験開始日8月5日

8月5日
 平均体重 139,9g(最高185g 最低90g)
 平均全長 265,8mm(最高320mm 最低220mm)

9月5日
 平均体重 378,6g(最高595g 最低130g)
 平均全長 355,0mm(最高420mm 最低260mm)

10月3日
 平均体重 840,1g(最高1460g 最低145g)
 平均全長 440,5mm(最高540mm 最低270mm)

今月の肥育期間中の平均水温 29,5℃(最高34℃ 最低27℃)

全体増肉量 23075g(固体当たり461,5g)

総合投餌量 33990g

全体増肉係数 1,47

第二グループ(B): 実験個体数39匹 肥育実験開始日8月28日

8月28日
 平均体重 124,5g(最高165g 最低75g)
 平均全長 265,1mm(最高300mm 最低230mm)

10月3日
 平均体重 405,9g(最高840g 最低105g)
 平均全長 354,1mm(最高460mm 最低250mm)


全体増肉量 10877g(固体当たり281,4g)

総合投餌量 14550g

全体増肉係数 1,36

水質については、総て同一条件にて飼育している。(10X17mの池を6面に区切り同じ水を循環させ飼育している)
現在までの間は、殆ど水交換はしていなく、総て生物濾過された循環水にての飼育で、これらの方法等はこのページでは略させてもらう。

 上記の報告は総て、単に平均で表しているのだが、各個体別にもっと詳しく見てみると、A、Bどちらのグループも、同グループの中で大小の差が現れ、その差はますます激しくなって広がり出している。
何故このようになるのか現在研究中だが、稚魚期から肥育に移るまでの間の餌付け訓練(中間育成)時に、見事に餌付けに成功したものと失敗したものの差であろう。
Aグループではこの小型系が20%程であるのに対し、Bグループでは50%にも及び不安を感じさせる。

 しかし他方では、成長の良い大型系グループ成長は、この平均値を遥かに越える事実も見逃せない。そうなると、この魚ピラルクの持つ特性はますます驚きに値する。
更に、この魚の初期における餌付けが重要であるのではないかと思われ、こちらの実験も十分にやって行きたいが、このページでは今回の肥育実験での成長を中心に発表していく事にする。

 これはまた蛇足になるが、前記した日本から研修に来ている青年は、来年3月までには日本に帰国、筑波大学大学院に復学する事になっている。興味のある方は下記にご連絡を。

蓑田竜史
〒851−2127
長崎県西彼杵郡長与町高田郷1006−79 TEL:095−883−0061
研究室:筑波大学修士課程教育研究科社会科教育コース
(茨城県つくば市天王台1−1)
E−MAIL: ryushix14@hotmail.com
ホームページ: http://isweb35.infoseek.co.jp/school/darubra/ryushi

第二の日本青年 蓑田竜史君

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