[あれから10年:]
あれから10年
ブラジルに来たばかりの頃、彼女はナイトクラブの舞台で真っ赤な下着をつけ、誇らしげに踊っていた。 あれから、10年。未だに彼女はナイトクラブで働いていた。いつもセクシーな服を身にまとっていた彼女も、今はジーンズにTシャツ。彼女のたるんだお腹と顎の下の肉が哀しい。 ときおり見せる変らぬ明るい笑顔はあの頃のままで、当時の彼女をフラッシュバックさせる。 「何も考えていなかったのね。お金も貯めれなかったし、男もできなかった。もう、10年になるのね・・・・」