[忘れ去ったモノ:]

忘れ去ったモノ

 壮年期に入り、恋心というものをすっかり忘れてしまっている自分に気づいた。
もう、そんな面倒くさいことはしたくない、と思いつつも
彼女に振り回される自分を
彼女のことのみで頭がいっぱいになるこ自分を
傷つく自分を
嫉妬する自分を
恐れているだけなのかもしれない。
 それはそれでいいとは、思うのだが、恋心を忘れようとしている自分がちょっぴり寂しい。

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