[自覚:]
自覚
40才を過ぎても、45才を過ぎても、頭の中は、学生時代のままであった。 年をとることに、体力の衰えに、イラついた。 何の責任も、使命感も感じず、のほほんと生きてきたので、年齢に精神がおいついていかなかったのだ。 息子に身長を追い越され、顔はたるみ髪は薄くなり、白い髯がポツポツ目立つようになってきた。周囲からはセニョール(年配の人を呼ぶ丁寧語)と呼ばれるようになった。 50才間じかにして、やっと自分の年齢を自覚した。