[欲望の底:]
欲望の底
午前4時、電話が鳴り響く。「今から行くけどいいか」韓国語なまりの語尾の強いポ ルトガル語が、ぼんやりした頭に響く。 夜の繁華街から歩いて5分の便利さからか、一時期麻薬の吸引所になっていたことが あった。中国人、韓国人、日系人、名も知れぬ東洋人たちとひとつのテーブルを囲み 回しのみが始まる。量が次第に少なくなるにつれ、吸う人間の片よりが出始めた。欲 望に対する人間の本性が現れる。そして自分は・・・・ カボー(終り)中国人が立ち上がった。