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名前 服部 万亀子
住所 サンパウロ州 サンパウロ市
生年月日 1956年8月23日

「こんな所もある!ブラジル・・・」

 毎年やってくる世界に有名なカーニバル。この時期、国民の大半は旅行に

出かけているのが、ほとんどの様です。

 今年は前々から行きたいと思って新聞の切り抜きを大切に保管しておいた

「フライブルゴ」という所。りんごの生産地として有名で国内生産の45%

がここで作られています。名前でもわかるようにドイツの移民が造った町で

サンパウロより西方700kmに位置します。子供がまだ小さいので一気に

目的地までのドライブの旅は無理。道中一泊して、翌日昼頃目指す町に着き

ました。

 町を見下ろす高台に立つこんもりとあじさいに囲まれたロッジ風の4階建

ての小ぎれいなホテルに泊ります。ホテルが所有しているりんご園へマイク

ロバスで連れて行ってくれます。貯蔵庫を兼ねただだっ広い選別所。りんご

の選別作業を見学。もぎたてのりんごが配られます。広大なりんご園は当然

のことながら、見渡す限りのりんごの木々に赤や緑のりんごが、たわわに実

っています。この時期は植えられている種類のりんごのうち「ガラ」という

のが収穫されています。(ホテルの食事にもりんごのサラダや、デザートに

アップルタルト、アップルティーとふんだんにりんごが使われている)

 りんご生産の他にこれといって産業のないような町なので、収穫時期以外

は閑散としているのかなと思ったのですが、りんごの花を見るツアーや冬は

雪見というのもあるらしいです。町はさすがにドイツ系の子孫が多く見られ

ますが、そうでもない、かなりブラジル的な人種も混じっています。蛇足で

すが、マイクロバスのドライバーが、かのクリントン大統領にそっくり。連

れ合いに確認したら「そうだ!クリントンだ。誰かに似てると思ってたけど

ずっと思い出せなかった」ソレッと証拠写真。こうしてドイツ系クリントン

氏は、我が家のアルバムに収まることになったのです。

 ついでに翌日立ち寄ったオーストリア移住地のことを少々。「トレゼ・チ

ーリアス」といって完全に巷と隔離した村です。アスファルト道路もこれよ

り先はなし。だいぶ前よりここも観光地化し、ホテルの数もかなり増えまし

た。昼食を食べるために寄っただけなのだけど、のんびり歩いてひと回りす

るのに丁度手頃な、のどかな所。こんな所なら治安100%OKじゃないか

な。ホテル、民家、市役所、学校とどの建物をとっても、全てチロル風に造

られていて、ちょっとした「おとぎの村」という感じ。これはやはり人口が

少なく貧富の差がないとできない技です。以前新聞でここの人口の何パーセ

ントかは、祖国オーストリアで選挙がある時、投票すると読んだことがあり

ます。レストランに一歩入るとオーストリアの世界。テレビではドイツ語の

番組が放送されているし、地元のお客さん同士でしょうか、これもドイツ語

での会話。人権と文化の保存は、こういう条件の下だけで保たれるのでしょ

う。残念?なことに日本移民はこういう町を造りませんでした。ほどなく日

本というエスニック文化は、消滅するといわれて久しいここブラジルです。

服部 万亀子(Makiko Hattori)

R. Rodrigo Claudio 314 apt72, Aclimacao, Sao Paulo, SP, CEP: 01532-020, BRASIL

TEL: 011-285-2942